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「カスタマーサポートほど面白い市場はない」──コンサル×起業家の視点から見出した、RightTouchの可能性

アクセンチュアでのデジタルコンサルティング、データ活用戦略立案からデータ活用の伴走支援まで行うインキュデータでの経験を経て、2024年4月にRightTouchに参画した後藤佑介(gocchan)。

顧客・オペレーター・企業、3つの視点から感じた課題を解決すべく、カスタマーサポート領域の変革に挑む彼に、RightTouchを選んだ理由と現在進行系で取り組む挑戦のリアルについて聞きました。

<プロフィール>
後藤 佑介(gocchan)
一橋大学商学部卒業後、アクセンチュアに新卒入社。デジタルコンサルタントとして大企業のDX支援に従事し、その後ソフトバンクと博報堂のジョイントベンチャーであるインキュデータにて、データ活用戦略の立案からデータ活用の伴走支援を担当。その傍らでtoC向けサービスを副業起業。2024年4月、カスタマーサポート領域の変革を目指しRightTouchに入社。現在はカスタマーサクセス・事業開発を担当。新しいことに挑戦することを好む元空手部。

3つの視点から確信した、カスタマーサポート市場の可能性

──まずは、これまでのキャリアからお伺いします。

一橋大学商学部を卒業後、アクセンチュアに新卒入社し、デジタルコンサルタントとして大企業のデジタル化支援に携わりました。製造業の基幹システムのデータ活用による業務改革プロジェクトでは、販売計画から生産計画、購買計画まで、企業活動全体の課題を洗い出し、解決策を提示していきました。

その後、より専門性の高いデータ活用支援にチャレンジしたいと考え、ソフトバンクと博報堂のジョイントベンチャーであるインキュデータに転職。データ活用戦略の立案からデータ活用の伴走支援まで、データを起点とした顧客体験向上の支援に従事しました。

もともと好奇心旺盛な性格で、新しい環境や課題に飛び込むことを厭いません。困難に直面するのは避けられませんが、それを乗り越える過程にこそやりがいを感じます。

──その後、RightTouchに転職されていますが入社の決め手は何だったのでしょうか。

「カスタマーサポート領域にビジネスとして大きな可能性を感じた」というのが、最も大きな理由です。そう感じたのには主に3つの視点があります。

まず、自身の経験から感じていた顧客・ユーザーとしての視点です。問い合わせの多さや対応の遅さなど、誰もが経験する「負の体験」は私にもあります。

次に、自身が経営する事業でのオペレーターとしての視点です。実は、副業起業してtoC向けサービスを運営しているのですが、FAQやチャットボットを用意していても問い合わせは絶えず、その対応工数は大きな課題だと感じていました。

そして最後は企業としての視点です。カスタマーサポートは顧客接点の最前線であり、データも豊富にあるにも関わらず、十分な改善ができていない現状があります。

これら3つの視点で感じた課題感に加え、今後のビジネス環境の変化も、この領域の重要性を一層高めていくと考えています。あらゆる業界において、そのプロダクトやサービスに求められるのは機能的な価値だけでなく、情緒的な価値がより重要になってくるからです。

同じような機能を持つサービスが増えるなか、オペレーターの対応の良さや、困ったときの素早い解決、丁寧な感謝のメールなど、顧客との関係性が重要な差別化要因になっていく。その意味で、カスタマーサポート領域の改革は今後の企業にとって避けては通れない課題です。

そしてRightTouchのプロダクトを見たとき、まさにこれらの課題を解決できると思いました。「RightSupport by KARTE(以下:RightSupport)」をはじめとする製品群は、カスタマーサポートの自動化や効率化に大きな可能性を秘めていると感じたんです。

システムの壁、オペレーションの壁、組織の壁など、複合的な要因で構成されていることを改めて認識しました。そんな課題の大きさゆえに挑戦する価値があるし、市場としての魅力でもあると思っています。

結果にコミットし、バックキャスティングで未来を描く

──RightTouchではどのような役割を担われているのでしょうか。

現在の役割は大きく3つです。1つ目は、カスタマーサクセスとしてのクライアントワークです。導入企業の成果創出のために、定例会やそれに向けた準備、成果報告の資料まとめなど、お客様の成功に向けた支援を行っています。

2つ目は、カスタマーサクセス組織の改善です。組織として重要なイシューは何か、課題を特定し、そこにアプローチするためのプロジェクトを立案・推進しています。

3つ目が新規事業開発です。「RightConnect by KARTE(以下:RightConnect)」の事業拡大に向けた課題特定とその解決に取り組むとともに、新たに生成AIを活用したスマートエージェントの開発にも携わっています。まだプロダクトの開発段階ですが、必要な機能の定義や、どのような企業をターゲットにすべきか、どういった訴求が効果的かなど、事業としての成功に向けた計画づくりを進めています。

──コンサルタント時代と比べて、働き方や環境の違いを感じることはありますか。

最も大きな違いは、事業の成長に向けて自由に課題を見つけ、飛び込んでいける環境があることです。コンサルティングはプロジェクトベースで、与えられた課題に対してゴールまでのプロセスを設計し実行することが求められます。一方、事業会社では自ら課題を定義し、その解決に向けて動く必要があります。

特にカスタマーサクセスの領域では、クライアントワークの結果にまでコミットできる環境があることにやりがいを感じています。コンサルティングでは提案までが主な責務でしたが、今は実装からその後の効果測定まで一気通貫で携われます。仮説を立て、それを検証し、改善のサイクルを回していく。その過程で得られる学びや達成感は、非常に大きいものがあります。

──そんな現場で働く中で、特に学びだと感じたことは何でしょうか。

代表の長崎から学んだ「レバレッジ」の考え方です。例えば私たちが提供しているRightSupportは、企業のWebサイトでの顧客対応を支援するものです。ですが、プロダクトを通じてWeb上の顧客接点を確保することで、実は電話での問い合わせ対応にも良い影響が出てきます。

例えば、RightConnectは顧客のWeb行動を踏まえてオペレーターが応対することによって、電話での問い合わせ対応を効率化するプロダクトです。Web行動データを捉えることによって、Webサポートだけでなく、電話応対も改善することができるようになっています。

このように、一つの取り組みが将来的にどのような相乗効果を生み、事業全体の成長にどうつながっていくのかを考える視点は、代表から学んだ大きな気づきですね。

これはまさにRightTouchが大切にしている「Backcasting」の思考そのものです。将来のビジョンを描き、そこから逆算して現在なすべきことを考える。しかもそれが感情的なものではなく、市場環境や現状分析に基づいた論理的な思考プロセスであることに強く共感しています。

また、RightTouchで特徴的なのが「イシュードリブン」な意思決定の文化です。定例会議が本当に必要かを問い直したり、プロダクトの本質的な価値を見直して刷新したり。常に本質的な課題は何かを考え、優先順位をつけながら意思決定を進めていく。このアプローチは、コンサル時代から馴染みがあった考え方ですが、より実践的に体現できる環境があることに、大きな魅力を感じています。

プロダクトの価値を組織に浸透させ、一つひとつの課題と向き合う

──gocchanさんはRightConnectの事業開発を担当されていますが、事業を育てるなかでどのような手応えを感じていますか。

プロダクトの事業開発に携わるなかで最も楽しいと感じるのは、課題を見つけ解決していくプロセスです。

RightTouchではプロダクトごとに組織を分けるのではなく、ビジネス組織全体ですべてのプロダクトを担当する組織設計を採用しています。そのため、RightSupportの販売経験はあっても、RightConnectとなると、全く新しい提案が必要になります。各プロダクトの価値を組織内に浸透させることに力を入れ、商談の進め方や顧客からの懸念に対する対応方法など、一つひとつの課題に地道に向き合っていきました。

前職では、データ活用基盤のような「何でもできる」プラットフォームの導入支援に携わっていました。カスタマイズ次第で様々なことができる反面、その自由度の高さゆえに、実際の価値提供までのハードルも高くなりがちでした。

一方、RightConnectは「この機能でこの課題が解決できる」という価値提供の構造がクリアです。お客様にも受け入れられやすく、実感を持って提案できる。コンサルタント時代から感じていた課題解決への期待感が、実際の手応えとなって返ってきていることを日々感じています。

現在は営業組織の支援と並行して、カスタマーサクセスの領域でも価値提供の最大化に取り組んでいます。組織の壁を越えて、プロダクトの可能性を最大限に引き出していく。その過程で生まれる小さな成功体験の積み重ねが、やりがいにつながっています。

事業責任者として、顧客体験の革新に挑む

──カスタマーサポート領域の変革に取り組む中で、どのような可能性を感じていますか。

まず、「カスタマーサポートほど面白い市場はない」と伝えたいですね。

企業側は問い合わせコストの増加や応答率の低下、それに伴うクレームの増加に直面し、早急な解決を求めています。一方でユーザーは、問い合わせしてもつながらない、FAQが分かりづらいといった不便を日常的に体験しています。

企業にとってもユーザーにとっても切実な課題であり、市場としての規模も大きい。それなのに、まだ十分なソリューションが存在していない。だからこそ、ここに私たちが価値を提供できる可能性を強く感じています。この“負”の大きな市場で新しい価値を生み出せることに、やりがいを感じています。

──今後、ご自身としてどのような挑戦をしていきたいですか。

カスタマーサポート領域は非常に広く、まだまだ事業の種が眠っています。

そしてRightTouchには新しい価値創造に積極的に挑戦できる環境があります。私自身、そういった可能性に惹かれて入社を決めたのですが、実際に「コンセプトだけあってプロダクトはできていない」という0.01ともいえる段階からプロダクト開発に関わる機会も多くあります。

将来的には、プロダクトの責任者として課題発見から解決策の提示、実装、そして成果創出まで一気通貫で担っていきたいと考えています。すでにさまざまな経験を積ませてもらっているので、着実にステップを進められているという手応えを感じていますね。

──これから一緒に働きたい仲間に向けて、メッセージをお願いします。

コンサルタント経験者としていえることは、RightTouchは「イシューを解く」ことに真摯に向き合える環境だということです。まだ事業規模は小さいからこそ、一人ひとりが職種や役割の境界線にとらわれず、主体的に解決策を見出していく必要があります。

「本質的な課題は何か」を考え、それを解決するために必要なことを自ら定義し実行できる方には、非常に魅力的な環境だと思います。

カスタマーサポート領域という、誰もが経験したことのある身近な課題に向き合いながら、社会に大きなインパクトを残せる仕事に挑戦したい方と一緒に働けることを楽しみにしています。

──ありがとうございました!

(取材・執筆/大久保 崇)