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高速&攻めの開発で​​理想のプロダクトを追い求める若手エンジニアの軌跡

株式会社RightTouchは、Web上でのエフォートレスな⾃⼰解決を実現できるカスタマーサポート向けプラットフォーム「KARTE RightSupport(β)」を提供している、株式会社プレイドの新規事業から生まれた戦略子会社です。

今回は、RightTouchに2人目のエンジニアとしてジョインした齋藤成之に、入社の経緯や現在の仕事、今後の展望について話を聞きました。

※本インタビューは、2023年5月に公開したものを、一部編集・更新して掲載しています。

<プロフィール>
齋藤 成之(さいとう なりゆき)
東京大学大学院で博士課程修了後、2020年に株式会社日立製作所に入社。研究開発部門で業務システム開発に関する業務に従事。2021年10月株式会社プレイドに入社し、現在はRightTouchのテックリードとしてKARTE RightSupportの開発に携わっている。

「これが何につながるのか」というモヤモヤ

― 入社以前のご経歴を教えてください。

高校の頃から物理が好きだったので大学では物理学を専攻し、そのまま博士課程までいきました。世の中の様々な現象について数式で綺麗に説明できるところがすごく好きで。
大学院での日々を通じて、自分には研究の適性があると感じていたので、新卒の就職活動でもしっかりと研究ができるところを目指しました。
大学での研究はかなりニッチで、やっていることがどんなふうに応用されていくのか正直なかなかイメージできず、そこにモヤモヤを抱えていたので、大きなインパクトを生めるような研究がしたいと考えていました。
物理が活かせるところであればベストでしたが、物理の研究ができる企業ってほぼないので、そこはあまりこだわっていなかったです。
研究はお金がかかりますし、投じたお金がすぐに結果につながるとも限らないので、本当に研究をしようと思うと必然的に大企業に絞られましたね。
入社した日立製作所では当時、社内のいろいろな部署のIT製品を統合するプラットフォームを作ろうという動きがあって、そのための調査やプロトタイプづくりに携わっていました。

― 転職を意識したのはどのような理由からですか。

自分は思考がすごく具体的なものに寄ってるんですよね。だから自分がやってることに対して具体的なフィードバックを得られるとか、具体的に誰の、どんな役に立っているかがわかるということが自分にとっては大事なんです。
日立でも実際に手を動かしてプロトタイプを作っているときなどはやりがいを感じていたんですけど、当時の業務があまり研究という感じではなくて、かといってがっつり開発というわけでもなかったので、自分のやっている仕事の立ち位置がよくわからなくなってしまって、転職することにしました。

攻めの開発でフロンティアに挑む

― RightTouchにはどのような経緯で入社されたのですか。

日立ではR&Dとして働いていたのですが、転職活動時はエンジニア職で就職先を探していました。
どこにいってもポテンシャル採用のようなかたちになると思っていたので、開発環境や技術スタックにはあまり条件を持っていなかったのですが、先ほども言ったように、自分がエンジニアとして作ったものに対して具体的なフィードバックを得られるか、ガンガン開発していけるかといったところは重視していました。
当時まだRightTouchは設立前でしたが、現在代表を務める野村からスカウトをもらって面談を受けました。プレイドのことは実は前職時代から知っていて、めちゃくちゃ技術力の高いことをしている会社だなという印象を持っていました。
選考プロセスを通じてたくさんのメンバーと話をしたり会社について調べたりするなかで、技術力だけでなく、「デプロイドリブン」という文化にも惹かれました
「デプロイドリブン」というのは、承認を得るよりもまずとにかくなにか作ってみよう、自分でガンガン作って、もしうまくいかなかったとしても問題なし、早く学習することが大事という考え方です。
そこが自分の志向性というか、とにかく具体で考えたいというところと、手触り感のある仕事がしたいという思いにすごく合っていると感じました。

― 実際に入社されて、どうですか?

RightTouchで働いていると、スピーディにいろいろ試して形にできるのはすごくいいなと思っています。
たとえば、以前社内ミーティング中に、行動データから“エンドユーザーが何で困っているのか”という情報が取れないか、という話になったんです。議論の中で、既存のデータを使ってできる案が出てきたので、その翌日に行動履歴をもとに最適化されたFAQをエンドユーザーに出すというデモを作ってみました。
それをメンバーに見せたところ、いいじゃん!となって、一週間後くらいにはもうエンジニアの籔がそれを実装して、プロダクトに乗せてうまくいった、ということがありました。こういうスピード感は大きな企業ではなかなか体験できないですよね。
ガンガン開発しリリースして、クライアントからフィードバックをいただいて、改善して、ということを日々繰り返しているので、勉強しなければならないこともたくさんありますし、その分成長の実感も得られていますね。

― 会社やチームの雰囲気はいかがですか。

雰囲気はめちゃくちゃ良いです。表現の仕方が難しいんですけど、あまり上下関係というか、上司部下みたいな意識がない印象です。
本当にチームというか、ちょっと言い方が悪いかもしれないですけど大学のサークルみたいな柔らかく和気あいあいとした雰囲気で。代表や取締役もよくいじられてます(笑)。
人数が少ないのでビジネスメンバーと開発メンバーの距離もすごく近くてみんなお互いのことをよく知っているし、職種に関係なくみんながより価値の高いプロダクトをつくることを第一に考えているので、一体感があることもRightTouchらしさと言えると思います。
自分はデータを分析して何かしらアウトプットしてみることがよくあるんですけど、それを内部のミーティングやSlackで共有すると「ああ、いいね」とか「もうちょっとこうしたらいいんじゃない?」という反応をビジネス・開発メンバーを問わず、すぐに返してくれるんです。
その会話がきっかけで機能化したことももちろんありますし、そういった反応の良さとコミュニケーションの手軽さはすごく良いと思っています。

― 現在は具体的にどのようなお仕事をされていますか。

KARTE RightSupportという、RightTouchの今の主力の製品の開発をするエンジニアチームにいます。
自分が取締役の籔に続いて2番目に古いエンジニアということもあって、幅広く全体を見ながら、バックエンドもフロントエンドも、ときにはデータ分析もやったり、拾えるところは拾っていくようなスタンスで仕事してます。

― ご自身としてはどの領域が一番得意ですか。

自分はあまりスペシャリストタイプじゃないなという認識があって、特に技術的にここが一番得意っていうのはないですね。

― なるほど。エンジニアチームはどのような方が多いですか。

今エンジニアチームは8人でやっているんですけど、バランスの取れた人が多い印象です。
エンジニアってどちらかというとスペシャリスト志向の人だったり、めちゃくちゃ職人肌みたいな人も多いと思うんですけど、RightTouchはわりとコミュニケーションとか協調性のバランスが取れていて、かつフルスタックに開発をこなせる人が多いと思います。
経歴でいうと、大企業の出身者もいますし、ベンチャーやスタートアップから来た人もいますし、様々ですね。

クライアントの生の声と向き合うことで仕事に対する姿勢も変化

― 入社されて1年半ほど経って、ご自身の中で変化を感じることはありますか。

自分がする仕事の価値を強く意識するようになった気がしますね。
研究をしていたときはその意識が結構薄かったんですけど、今は自分でプロダクトを作ってそれがクライアントに提供される、その対価としてお金をいただくという性質の仕事なので、
実際にどのような価値を生み出せるのか考えながら開発する、みたいなところは意識するようになりました。

― クライアントから直接フィードバックをいただく機会もあるのでしょうか。

ありますね。プロダクトマネジャーを中心にユーザーヒアリングを行っていて、そこに同席させてもらうこともあります。
「ここ使いづらいよ」とか「その機能あったの?」というようなことを言われることも結構多くて、やっぱり自然に使われる機能とか、使いやすい機能っていうのが価値提供の大前提にあると感じています。
そうは言っても自分はまだ全然できていないので、今後さらにそこを意識していきたいと思っています。

ユーザーデータの活用で「困った」に先回りする

― 今後はプロダクトをどのように成長させていきたいとお考えですか。

カスタマーサポートのツールって色々あるんですけど、我々はWeb接客やユーザー行動解析といったところを起点にしているので、他のカスタマーサポートツールに比べてデータをたくさん持っているんですよね。
なので、そのデータをエンドユーザーの課題解決に還元することにはこだわっていきたいです。
今はまだあまり実現できていないのですが、エンドユーザーの行動データやエンドユーザーの声といった定性的なデータなど、大量のデータを簡単にカスタマーサポート活動や体験に活かせるようにしたいです。
とはいえ、実はこれ難しい問題なんですよね。クライアントのサイトってもう千差万別じゃないですか。保険であったりeコマースであったり。同じカテゴリのサイトでも規格が異なることもあります。
そういう質の異なる行動データをプロダクトとして汎用的に活かすことがまず難しいですし、更に行動データといっても実際はすごくふわっとしたデータなんです。
たとえば、あるウェブサイトを訪れて、買い物をしようとしたけど途中で困って離脱した人のデータって、定義することで取れるは取れるんですけど、じゃあそのデータだけを見てその人が何に困ったのか、どこでなぜ困ったのか、そもそも困ってるのかどうかとかっていうのは、人間でも判定するのがすごく難しい。

― 難しいけどチャレンジしがいがある?

そうですね。そこをなんとかやっていきたい。
今はこういったデータをプロダクト上にレポートとして可視化していて、そこからクライアントご自身で考えていただいたり、カスタマーサクセスがクライアントに伴走しながらそのデータを解釈するという形でやっている状況なんですけど、そこをもう少しシームレスにつないでいきたいです。

― そのために、どのような人にジョインしてもらいたいですか。

まずは、プロダクト志向の人がいいですね。気持ちの持ち方なんですけど。
おもしろいプロダクトを作りたいという気持ちが第一にあるような人にとってはすごく良い環境なので、ただ開発をするだけじゃなくて、目的や理想からプロダクト自体がどうあるべきかとか、どうやったらプロダクトが良くなるのかっていうところを考えて楽しめる人は合っていると思います。
もちろん考えるだけではなくて、デプロイドリブンな雰囲気の話もありましたが、スピーディに色々試したい、自分の提案をすぐ形にしてみたい、というような気持ちがある人もRightTouchを楽しめると思いますね。
それと、技術的なチャレンジをしたい、という人にもいいと思います。
大量のデータ処理が必要となる性質のプロダクトなのでなので、それを行うためのエンジニアリングや分析が好きな人にとってもおもしろい環境ですし、データ活用の加速を目指しているプロダクトの成長の道筋にも大いに貢献していただけると思います。
(ライター/齋藤由香(トラックレコード)  編集/松並憲生(トラックレコード))