モヤモヤしているエンジニアは「外」を見るべき。若手エンジニアが素を出せる理想の環境に辿り着くまで
株式会社RightTouchは、Web上でのエフォートレスな自己解決を実現できるカスタマーサポート向けプラットフォーム「KARTE RightSupport(β)」を提供している、株式会社プレイドの新規事業からスピンオフしたスタートアップです。
今回は、RightTouchにエンジニアとしてジョインした追木智明に、入社の経緯や現在の仕事、今後の展望について話を聞きました。
「心から良いと思えるプロダクトを、自分の手で作りたい」という気持ちが抑えられなかった
― まずは経歴について教えてください。
大学院1年目、いわゆるM1のときにWebエンジニアに絞って就職活動をし、新卒でヤフー株式会社に入りました。
ヤフーに決めたのは、多くの人に使われていて、多くの人の生活に影響を与えるサービスを提供しているからです。学部卒で先に入社している友人から話を聞いていて、働きやすそうだと思っていたことも理由の1つです。
ヤフーでは検索本部に配属され、エンジニアとしてヤフー画像検索の開発に取り組んでいました。といってもヤフー画像検索は歴史が長く、何かを変えることよりも保守が中心でした。バグ修正や、検索結果の取得先であるGoogle側の仕様変更を受けて、画像検索側も対応するというような仕事が多かったです。
当時、ヤフー全体で古くなってきたシステムを刷新しようという動きがあり、もれなく画像検索もリニューアルすることになりました。リニューアルは12人のチームで約8カ月かけて、デザインも含めた大規模なリニューアルを行いました。大きな変更だったため、リリース直後はユーザーの声をTwitterなどで見るのがしばらくの日課でした(笑)
また、リニューアルのタイミングでそれまで正しく取れていなかったログなども取れるようになったため、その後はサービスを伸ばしていくために毎週のように様々な施策をリリースし、定量評価をしながら良いものはサービスに取り入れていくという動きを繰り返していました。
ヤフーには約1年8カ月在籍し、その後、ヤフー在籍時からお手伝いしていた株式会社AVILENに転職しました。ヤフーの環境はとても良く、不満等はほぼなかったのですが、自分が目指すエンジニア像を考えたときに、幅広く使える知識を身につけて、技術領域を絞らず色々やりたいなという欲がありました。
AVILENは技術選定や仕事の進め方などを副業のなかである程度把握できていて、幅広くトライできる刺激的な環境だなという印象を持っていました。
その後、AVILENから声をかけてもらい、改めて刺激的で成長できそうな会社だと思い転職しました。
AVILENでは第1号のエンジニアとしてシステム開発周り全般に関わる仕事や、AutoMLツールと呼ばれるSaaSプロダクトを自社開発していました。ヤフーと比べると圧倒的に人数が少ないため、様々な仕事の機会が回ってきますし、その幅も広いため自然とジェネラリスト寄りの動きになっていきました。
― RightTouchに入社した経緯を教えてください。
「自分が心から良いと思えるプロダクト、夢あるプロダクトを、自分の手で作りたい」という気持ちが抑えらませんでした。
これまでの2社の経験から、転職の軸としては下記の2つがありました。
・面白いものを面白いと思って作っている会社(≒熱量、活気がある)
・エンジニアとして広く色々できる組織
RightTouchの母体であるプレイドのことは元々知っていて、技術力が高い、優秀なエンジニアが集まっている会社という印象を持っていました。
面接で実際に何人かと会ってみて、その通りだと実感しました。
また、RightTouchの開発思想が「プロダクトに重きを置きたい」という私の希望にもフィットしていたので、他社も同時並行で検討していましたが迷いはありませんでした。
「KARTE」には一定の歴史がありますが、その中でも常に新しい挑戦を続けているエピソードや想いが、お会いした全ての方から伝わってきて、一緒に働きたいと直感的に思いました。
また、「KARTE」のいろんな部分に関わってみたいと考えていたので、面接ではプレイドのエンジニアとも話しました。話を聞く中で、KARTEの世界は想像していた以上に広大だということもわかったので、まずは腰を据えて1つのプロダクトに集中するのが良さそうと思い、RightTouchに入ることを決意しました。
今振り返ってもこの意思決定は間違っていなかったなと思っています。
お客さまの声をもとに、エンジニアがアイデアレベルから考えるのがRightTouch流
― RightTouchでの仕事のやりがいを教えてください。
RightTouchでは現在開発・提供しているKARTE RightSupportを中心にざっくり3つの開発チームがあります。現在は、その中でWebとコールセンターを繋ぐ位置づけの新規プロダクトの開発リーダーをしています。
やりがいを感じるのは、作った機能に良い反応があった時ですね。
RightTouchにはプロダクトフィードバックという仕組みがあり、機能リリースによって改善したことを社内のSlackで告知すると、ビジネスサイドのメンバーがお客さまに伝えてくれます。その後の具体的な反応がエンジニアに伝わってきたりもするので、喜んでいる声を聞けたりするとやはりうれしいなと思います。
エンジニアサイドではなかなか気づきにくいお客さまの使い勝手に関わるフィードバックは貴重ですし、リアクションがある状態で改善に取り組めるのはとても良いです。
プロダクトをどのような方向に持っていくのかをアイデアレベルから考えるのがRightTouchの開発スタンスです。フィードバックを上手く取り入れながら本質的な解を考え、プロダクトを作りあげていくことにやりがいを感じます。
ビジネスサイドも開発された背景や機能について熟知しているし、エンジニアはお客さまからのフィードバックを把握している。これはシンプルなようで、なかなかうまく繋がっていないことが多いのですが、RightTouchではちゃんと機能しているところも特徴のひとつだと思います。
私たちが提供するプロダクトを使うことによって、お客さまの仕事のやり方や行動に変化が生まれます。機能の品質を高めることはもちろんのこと、BtoBサービスであるため導入先の業務が滞るようなことがないようにスピード感と防御面のバランスを取りながら開発をしています。
特に新規開発はお客さまに使っていただく前段階なので、プロダクト体験を想像し、思考しながら作りあげる力が必要です。このあたりは前職でのゼロイチの開発経験が活かせていると感じます。
最高のプロダクトをつくるために、限りなく高い開発生産性を保ち続ける
― RightTouchで働く魅力について教えてください。
技術力が高く、実行力のある組織であることです。加えて、一人ひとりがプロダクトのことを考えるバランス感覚を持っていることと、必要な学習を厭わないことです。
何か変えたいものがある時に、口先だけでなく実際に手を動かす個人が集まっている組織なので、「ここどう思います?」という会話から始まり、「じゃあやっちゃいますね」と言って数日後には実現しているみたいなことが結構あります。
エンジニア同士はもちろん、ビジネスサイドのメンバーとの会話量が多いため、RightTouchが実際はどんなカルチャーなのか、今何が起こっているのかを入社してすぐに把握できましたし、実装スピードの早さ、コードのレベルも高さを実感できました。
議論が活発なのは、一人ひとりがプロダクトのあるべき形について考え抜いているからこそであり、誰一人“やらされている感”がなく、自分ゴトにできていることが伝わってきてワクワクしたのを覚えています。
ビジネスサイドも含め、このメンバーとだったら挑戦できるなと感じる場面は多々あって、仮に失敗しても、このメンバーとなら納得できると思っています。このあたりは仕事をする環境としてスタートアップを選ぶ上で特に重要なポイントだと考えています。
また、RightSupportを通じて「KARTE」の開発に関わることもありますし、小規模なチームだからこその雰囲気や機動力もあり、心地よい環境で働けていると思います。
― RightTouchの環境について教えてください。
エンジニアとしては働きやすい環境ですね。これまで在籍していた会社もかなり柔軟な環境だったのですが、それと比べても圧倒的に自由です。
新しめの技術をプロダクトで試してみることにも柔軟ですし、自由に挑戦できるカルチャーがあります。改善点を指摘した際の動き出しも素早いので仕事がしやすいです。
労働環境も気に入っています。不必要なルールがほとんどなく、働く時間も自由なので、夕方にパフォーマンスが落ちたら早めに休憩をとって、静かな夜の時間帯に作業を再開する人もいます。
このあたりも個人の裁量に任されていて、いいアイデアなどを思いついたときにすぐに手を動かせたりするので結構気に入っているポイントです。
物理的な環境も申し分ないですね。作業環境を整えるためのハードウェア購入などはかなり自由に行えるので、ありがちな家と会社で環境に差があるという部分もほぼ感じることはないです。
この背景には、スタートアップとして、事業の急激な成長を目指して最も効率良くプロダクト開発をすることが重要であるという考えがあります。
仕事環境のせいで生産性が落ちるのは本質的ではないですよね。働き方やマシンスペック等に関して余計なことを考えず、開発や事業に集中できる方が絶対にいい。生産性を限りなく高く保てる環境をつくりるためのトライとして、環境整備のための制度は性善説のもとに作られ、とても充実しています。
RightTouchは臆せず素を出せる環境
― 今後、どういうエンジニアを目指していきたいですか?
まずは手札が多いエンジニアになることを目指しています。
難しい課題にも対応でき、プロダクトも考えられる。バランスのいいエンジニアになりたいです。
そのために必要な自分の限界を超えるような挑戦をしていくのに適した環境がRightTouchにはあると感じています。
自分で言うのもなんですが真面目過ぎるので、いい意味で自分の殻を破ることに挑戦しています。エンジニアは、人に迷惑をかけることを恐れて控え目になり過ぎる、ということがありがちです。
ただそうすると、大きな失敗はしないのですが大きな成功もありません。慎重になり過ぎずにしっかり主張して、バランスを取りながら自分主導で進められることはガンガンやっていこうと努力しています。
そう思うようになったのは、RightTouchが素を出せる環境だからです。RightTouchには挑戦を歓迎するカルチャーがありますし、些細なことでも真面目に相談できる雰囲気があります。思っていることを自分の中に押し込めておくメリットがないので、どんどん出していこうと思っています。
モヤモヤしているエンジニアは外の世界を見るべき
― どのようなエンジニアと一緒に働きたいですか?
一緒に働きたいのは、プロダクト志向の方ですね。お客様にとって最適なプロダクトとは?を常に考えるのが好きで、何かを思いついた時に手を動かすのが早い方にRightTouchはオススメです。
自由に働ける環境と優秀なエンジニアが揃っている、だからこそ楽しいということを私が保証します。常に会話が飛び交っていて、いい意味でカオスな状態になることもあるので、それも含めて楽しめる方がいいですね。
もし現状に不満があったり、モヤモヤしているなら、無理に環境に適応せずに外の世界を見てみるといいと思います。
転職ありきではなく、まずは他の会社の話を聞いてみる。そして客観視する。それで今いる場所が適応すべき環境ではないと思ったら、転職することも一つの手段だと思います。私がそうだったように、活躍できる場が必ずあるはずです。
(ライター/谷村光二(トラックレコード) 編集/松並憲生(トラックレコード))